えびの高原の火山活動の状況と登山道等の規制について

えびの高原の火山活動の状況について


7月7日(金)17:15、福岡管区気象台・鹿児島地方気象台はえびの高原(硫黄山)周辺の噴火警戒レベルを1(活火山であることに留意)から2(火口周辺規制)に引き上げました。気象台の発表によれば、2023年5月頃から硫黄山の山体浅部における膨張を示すと考えられるわずかな伸びがみられているなかで、7日16:50に火山性微動が発生したとのことです(詳細は下記URL)。火山性微動は火山で発生する振動のうち火山性地震よりも継続時間が長く、地下のマグマや熱水などの流体の移動や振動が原因と考えられています。このように、えびの高原の火山活動が高まった状況ですので、霧島山に登山される方やえびの高原に行く予定がある方は、最新の火山情報や上空の風向き等の事前確認をお願いします。

霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺)の活動状況(気象庁)
霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺)の火山活動解説資料(福岡管区気象台・鹿児島地方気象台,令和5年7月7日18時30分発表)


登山道等の規制について


今回の噴火警戒レベルの引き上げを受けて、地元自治体による登山道等の規制に変更がありました。更新された霧島山全体の規制図は下記のとおりです(画像は宮崎県ホームページより引用)。新たに硫黄山三角点から半径概ね1kmの範囲が立入禁止になりました。なお、新燃岳火口中心から半径1kmの範囲および御鉢火口内は引き続き立入禁止です。

霧島山の規制図(令和5年7月7日更新)


また、えびの高原周辺の詳細な規制図は下記のとおりです(画像はえびの市ホームページより引用)。赤色破線内および赤色の登山道が新たに立入禁止になりました。

えびの高原周辺の登山道規制図


登山道の利用の可否について


【えびの高原へのアクセス等について】
・小林市方面から県道1号線を通ってえびの高原に行くことはできません(6月3日以降変更なし)。
・えびの市方面から県道30号線を通ってえびの高原に行くことは引き続き可能です。
・霧島市方面から県道1号線を通ってえびの高原に行くことも引き続き可能です。
・えびのエコミュージアムセンターは開館しています(利用可能)。

【韓国岳登山について】
えびの高原の韓国岳登山口から韓国岳山頂に至る登山道は利用できなくなりました
・えびの高原の県境登山口から大浪池経由で韓国岳山頂に登ることは引き続き可能です。
・大浪池登山口から韓国岳山頂に登ることも引き続き可能です。
・ひなもり台から大幡池および獅子戸岳経由で韓国岳山頂に行くことも引き続き可能です。

【えびの高原池めぐり探勝路について】
えびの高原池めぐり探勝路は六観音御池展望台から先が通行止めになりました。
したがって、不動池に行くことはできなくなりました。

【甑岳登山について】
えびの高原から池めぐり探勝路経由で甑岳に登ることはできなくなりました。
また、県道1号線沿いの甑岳登山口から甑岳に登ることもできなくなりました。
・白鳥温泉下湯からアバンダントしらとり郷土の森経由で甑岳に登ることは引き続き可能です。


最新の火山情報の入手先について


火山登山者向けの情報提供ページ(気象庁)
⇒気象庁が発表している個々の火山の火山情報を確認することができます。
⇒新着情報のところに、最近1週間以内に情報が出された火山がリストアップされています。
⇒霧島山の各火山の状況は下記のとおりです。
 霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺)の活動状況(気象庁)
 霧島山(新燃岳)の活動状況(気象庁)
 霧島山(御鉢)の活動状況(気象庁)
 霧島山(大幡池)の活動状況(気象庁)

火山観測データ(気象庁)
⇒前日までの噴煙(噴気)の高さや火山性地震の回数を知ることができます。
⇒「九州地方の火山」のところからプルダウンで霧島山の各火山を選択することができます。

霧島上空の風予想(mrt宮崎放送)
⇒今日と明日の霧島山上空(1500mと3000m)の風向きを知ることができます。

硫黄山周辺の火山ガス濃度測定結果(宮崎県)
⇒硫黄山周辺の複数の観測点で測定されている火山ガス濃度のデータが見られます(1週間更新)。
えびの高原の火山ガス(二酸化硫黄)観測情報について(宮崎県)
⇒えびのエコミュージアムセンタに設置されている二酸化硫黄ガス濃度のリアルタイム測定データを知ることができます。

監視カメラ画像(霧島山 えびの高原)【気象庁】
監視カメラ画像(霧島山 硫黄山南)【気象庁】
監視カメラ画像(霧島山 韓国岳)【気象庁】
⇒現在の霧島山の様子を確認することができます(約2分で更新)。