①気象台による発表
福岡管区気象台・鹿児島地方気象台は5月27日(火)11:00、霧島山(新燃岳)の噴火警戒レベルを3から2に引き下げました。これに伴い、警戒範囲は新燃岳火口中心から2㎞の範囲に縮小されました。
気象台による発表は下記のとおりです。
<霧島山(新燃岳)に火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)を発表>
新燃岳では、引き続き小規模な噴火の可能性がありますので、新燃岳火口から概ね2kmの範囲では大きな噴石等に警戒してください。
<噴火警戒レベルを3(入山規制)から2(火口周辺規制)に引下げ>
・新燃岳では、4月下旬から5月上旬に火山性地震が非常に多い状態となったものの、その後減少しました。新燃岳近傍の傾斜計にも特段の変化は認められません。火山活動に低下傾向が認められており、新燃岳火口から2kmを超える範囲に影響を及ぼす噴火が発生する可能性は低くなったと考えられます。
・一方、GNSS連続観測では、新燃岳付近の地下の膨張を示すわずかな伸びが認められており、火山性地震は減少したものの依然として多い状態で経過しています。
・これらのことから引き続き、弾道を描いて飛散する大きな噴石が新燃岳火口から概ね2kmまで、火砕流が概ね1kmまで達する噴火が発生する可能性があります。
噴火警報(火口周辺)(2025年5月27日、福岡管区気象台・鹿児島地方気象台)
②自治体の対応
噴火警戒レベルの引き下げを受けて、各自治体により立入規制に変更が行われました。下の規制図は宮崎県ホームページからの引用です。

詳細は下記のとおりです。
(1)立入禁止区域
・新燃岳火口中心から概ね2㎞の範囲(3㎞規制→2㎞規制に縮小)
・上の図で赤色で塗られている範囲には立ち入ることができません。
(2)利用できない登山道・道路
・上の図で赤線で示されている登山道は利用できません(新燃岳、獅子戸岳)。
・大幡山への登山は可能になりました。ただし、山頂から獅子戸岳方面への道は通れません。
・中岳山頂への登山は依然できませんが、中岳中腹探勝路は利用可能になりました。
・高千穂河原~新湯間の道路の通行止めは解除されました。
③その他
・霧島山(新燃岳)の噴火警戒レベルの上げ下げの判定基準はこちら(PDF)をご参照ください。
・えびの高原(硫黄山)周辺、御鉢、大幡池の噴火警戒レベル及び規制区域に変更はありません。
・噴火警戒レベルが下がったとは言え、新燃岳では火山性地震が多い状態が続いています。噴火が起こった際には、新燃岳に近いところでは火山弾に、風下側(火口の東~南東側になることが多い)では火山れきに注意が必要です。霧島山への登山や観光を予定される場合は、最新の火山情報(火山登山者向けの情報提供ページ|気象庁)や火山観測データ(気象庁)、降灰予報(気象庁)を事前にご確認ください。
④新燃岳に関するこれまでの経緯
2024年12月12日11:00 噴火警戒レベル1→2に引き上げ(警戒範囲2㎞を設定)
2025年3月30日03:53 噴火警戒レベル2→3に引き上げ(警戒範囲2㎞→4㎞に拡大)
2025年4月2日11:00 噴火警戒レベル3を継続(警戒範囲4㎞→3㎞に縮小)
2025年5月27日11:00 噴火警戒レベル3→2に引き下げ(警戒範囲3㎞→2㎞に縮小)※今回