霧島山(新燃岳)の噴火警戒レベルが3に引き上げられました(警戒範囲が2㎞から3㎞に拡大)

2025年6月22日に7年ぶりに噴火した霧島山の新燃岳について、噴火警戒レベルの引き上げが実施されました。霧島山周辺にお住まいの方や霧島への来訪を予定されている方は、今後の活動の推移にご注意ください。

①気象台による発表

福岡管区気象台・鹿児島地方気象台は6月23日(月)18:30、霧島山(新燃岳)の噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)から3(入山規制)に引き上げました。これに伴い、警戒範囲は新燃岳火口中心から3㎞の範囲に拡大されました。

気象台による発表は下記のとおりです。

<霧島山(新燃岳)に火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)を発表>
 新燃岳火口から概ね3kmの範囲では、大きな噴石などに警戒してください。
<噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)から3(入山規制)に引上げ>

・GNSS連続観測では、霧島山を挟む一部の基線で、2025年3月頃から、霧島山深部の膨張を示すと考えられるわずかな伸びが認められます。
 
・本日(23日)山麓で実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の1日あたりの放出量は4000トン(前回5月15日には検出されず)を観測し、急増していることを確認しました。
 
・新燃岳の火山活動はさらに高まった状態となっています。新燃岳火口から概ね3kmの範囲では、大きな噴石などに警戒してください。

噴火警報(火口周辺)(霧島山(新燃岳))令和7年6月23日18時30分(福岡管区気象台・鹿児島地方気象台)

②自治体の対応

噴火警戒レベルの引き上げを受けて、各自治体により立入規制に変更が行われました。下の規制図は宮崎県ホームページからの引用です。

詳細は下記のとおりです。

(1)立入規制区域

・新燃岳火口中心から概ね3㎞の範囲(2㎞規制→3㎞規制に拡大)

・上の図で赤色で塗られている範囲には立ち入ることができません。

(2)利用できない登山道・道路

・上の図で赤線で示されている登山道は利用できません。高千穂峰については、宮崎県高原町側の登山口(皇子原、霧島東神社)から山頂までの登山道が利用できなくなりました。

・高千穂河原~新湯間の道路(県道104号線)が通行止めになりました。

③その他

・霧島山(新燃岳)の噴火警戒レベルの上げ下げの判定基準はこちら(PDF)をご参照ください。

・えびの高原(硫黄山)周辺、御鉢、大幡池の噴火警戒レベル及び規制区域に変更はありません。

・噴火が起こった際には、新燃岳に近いところでは火山弾に、風下側(火口の東~南東側になることが多い)では火山れきに注意が必要です。霧島山周辺への来訪を予定される場合は、最新の火山情報(火山登山者向けの情報提供ページ|気象庁)火山観測データ(気象庁)降灰予報(気象庁)を事前にご確認ください。

④新燃岳に関するこれまでの経緯

2024年12月12日11:00 噴火警戒レベル1→2に引き上げ(警戒範囲2㎞を設定)

2025年3月30日03:53 噴火警戒レベル2→3に引き上げ(警戒範囲2㎞→4㎞に拡大)

2025年4月2日11:00 噴火警戒レベル3を継続(警戒範囲4㎞→3㎞に縮小)

2025年5月27日11:00 噴火警戒レベル3→2に引き下げ(警戒範囲3㎞→2㎞に縮小)

2025年6月22日16:00頃 新燃岳が噴火(火口から高さ500m以上の噴煙が東に流れ、高原町や小林市に降灰)

2025年6月23日18:30 噴火警戒レベル2→3に引き上げ(警戒範囲2㎞→3㎞に拡大)※今回